天変地異、戦争…..世の中、先に何が起こるのかは分かりません。しかし人は事が起こってしまってから後でこう言い放つのです。これは’想定外だった’と。しかし芸術作品の創作、特に時間芸術作品ではマクロ的設計とディテールとのリンクが先決。作曲もまた建築もしかり、まず先に何を見通せるかにかかっているのです。
嘗ての大地震の時も人々は後悔の念にかられました。そして考え直すのです。「先ずは危機管理委員会の設立を!」えぇっ?!「危機管理委員会?」既に’管理不可能な状態’を’危機’というのではないでしょうか。今回もやっと’緊急事態宣言’が出されるそうです。’そうです’と書いたのはこれが4月7日の夕方に発令され、翌日8日午前に施行される’予定’だからです。ですからここに’緊急’という言葉は当てはまりません。上記の’危機管理委員会’の命名に倣うのであれば、これは’緊急緩和事態宣言’という事が出来るでしょう。しかしこの宣言発令予告時と実施との間にある、決して短くはないインターヴァル…..ここに、古(いにいへ)からの日本人が有する永い国民的伝統精神性を垣間見るのです。
「善は急げ」と「急がば回れ」。「当たって砕けろ」と「石橋を叩いて渡る」。しかしラテン語の泰斗、田中秀央博士の座右の銘にもこういった言葉を発見いたしました。
「Festina lente!<羅>」(ゆっくりと急げ!)